しあわせなからだ ♯2 / Noriko Genda

サーフィンの効能 

わたしが生まれたのは、長野県の飯田市というところです。 

まわりをぐるっと高い山に囲まれて育ちました。 

では、海との出合いは? 


父親が佐渡島の出身なので、幼少期は毎夏を海で過ごしていました。 


大人になってからの海との再会は、23年ほど前、きっかけはボディボードです。 

友だちに誘われてなんとなくやってみたところ、 

波に乗れるようになることがただただ楽しくて、少しずつ自分用のギアをそろえ、海に行く回数も増えていきました。 

その頃のわたしは、おもにコマーシャルや音楽関係のスタイリストとして忙しく働いていました。

長期に休みが取れると必ず海外にバケーションに出かけていましたが、その旅も、海に通うようになってからは都会に魅力を感じなくなり、アジアの島々へと行き先が変わりました。 

そして夜の外食の回数も徐々に減っていきました。 


それから3年くらい経った頃。 

わたしはスタイリストのお仕事をやめて中国式の整体師へと転職します。 

海が生活の一部になったことで、自然の中にいることが増え「じぶん」と向き合う時間が正直になることの誘発剤になりました。 

「じぶん」に嘘が通用しなくなってしまったんですね。 

“じぶんの本質”ってなに? 

ボディボードをはじめて10年経った頃、ロングボードをやってみたいと思い、レッスンの予約をしました。 

はじめて板に立った時の景色、波の上をすべる感覚はそれはそれはすばらしいものでした。 

きっとその瞬間から、わたしの中の奥に冬眠していた「じぶん」が本格的に目覚めはじめたのかもしれません。 

ロングボードをはじめて1年後、離婚をして鎌倉に移りました。 


サーフィンは、ジャンル分けでいえば、スポーツになります。 

でも、スポーツという枠を越えて「わたしたちは自然の一部なんだ」と、からだのより深くで感じることができるものだと思っています。 


自然が長い時間をかけてつくりあげた波に、板ひとつだけを使って乗せてもらうのです。 

その波長に自分を合わせられなければ、波は乗せてくれません。 


海の上で眺める朝焼けや夕焼けは、海と空の色を変えながら周りの世界を染めていきます。 

晴れた日のキラキラ輝く陽射し。 

雨に打たれながら海に浮かんでいる時間も、とてもすてきです。 

気温とともに水温の変化で季節の移ろいをからだで感じられます。 

わたしは、海にいるとき、必ずサーフボードの上で寝そべって目を閉じ、耳を板につけて海の音を感じます。そして、目を開いて……。 

そこから見える海面と一緒にゆらゆらと漂う時間をたのしみます。 


 海との会話。 


じぶんの本質、からだを知る時間。その時間が、こころからの笑顔をわたしの元に運んできてくれます。

それは、まぎれもない自然からのギフトです。 


“あなたの本質”、あなたが大切にするものはなんですか?   



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