Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi ♯5 / 日高しゅう

Ua(ウア)雨

少しご無沙汰してしまいました。 

気づいたら年が明けて、一年で一番寒い時期になってきました。 

あたたかいハワイが恋しくなるこの頃です。 


今回のテーマは雨、Ua(ウア)。
山が多く、貿易風が吹き込むハワイでは、同じ島でも場所によって天候が全く異なります。 

地形によって雨や風に違いがあり、それぞれに名前がつけられています。 

その数は膨大で、それだけで本1冊になってしまうほど。 

今回はハワイアンの血を引く者しか入学が許されないカメハメハ・スクールの元教師で、現在Hālau Hula o Nā Momi Makamae(ハーラウ・フラ・オ・ナー・モミ・マカマエ)のKumuであるCollette Leimomi Akanaの著書『HĀNAU KA UA(ハーナウ・カ・ウア、雨の誕生)』から、いくつかご紹介します。 


まずは、Kanilehua(カニレフア)。
ハワイアンソングにもよく登場するので、聞いたことがあるかもしれません。
Kani(カニ)は「音」、Lehua(レフア)はハワイ島の花 ʻŌhiʻa lehuaで、レフアの花にパラパラと音を立てる雨のことを言います。「レフアが飲む雨」という意味もあります。 

ʻŌhiʻa lehuaの木の上で鳥たちが立てる音や、ʻŌhiʻa lehuaそのものが立てるカサカサした音のことも、Kanilehuaと表現するそうです。 

ほとんどの場合、Hawaiʻi(ハワイ島)のHilo(ヒロ)の雨として使われるのですが、Oʻahu(オアフ島)の Lēʻahi(レーッアヒ/ダイヤモンドヘッド)やKauaʻi( カウアイ島)のHanalei(ハナレイ)の雨を指すこともあります。 

また、ハワイ語は言葉を繰り返すことが多く、Kanikanilehua(カニカニレフア)と言うことも。 



続いては、Kīpuʻupuʻu(キープッウプッウ)。Kīpuʻuとも言われます。 

ハワイ島ヒロまたはワイメア(Waimea)で、強い風とともに打ちつける冷たい雨の名前です。 

カメハメハ大王がWaimeaで作った槍の兵士たちのことをKīpuʻupuʻuと名付けたというエピソードもあります。 

ちなみに、ハワイ島のHālau Nā Kīpuʻupuʻu(ハーラウ・ナー・キープッウプッウ)のKumuMicah Kamohoaliʻi(マイカ・カモホアリッイ)は、その名の通り、火の女神ペレ(Pele)の兄Kamohoaliʻiの直系の子孫なのだそう。

100代前の先祖まで、チャンティングで言えるのだそうです。すごい! 


神話に登場する霧の女神、Lilinoe(リリノエ)。ハワイ島やMaui(マウイ島)の山や崖で降る細かい霧雨をLilinoeと言います。
ハワイ島では美しい霧雨のことを、“Lilinoeが住処であるMaunakea(マウナケア/山の名前)から降りてきた” と表現することもあるそうです。 

ちなみにこのLilinoeは美しい四姉妹の次女。長女は雪の女神Poliʻahu(ポリッアフ)、三女は湖の女神Waiau(ワイアウ)、末っ子が衣(Tapa/タパ、樹皮から作られるハワイの布)の女神Kahoupōkane(カホウポーカネ)。Kahoupōkane以外の三人はMaunakeaに住んでいたそうです。

この姉妹、特にPoliʻahuにはおもしろいエピソードがたくさんあるので、別の機会に。 



Kilihune(キリフネ)またはKilihuna(キリフナ)風に吹かれる優しい霧雨 

虹の回に登場したTuahine(トゥアヒネ)マノアに降る雨 

ʻAwa(アヴァ)、ʻAwaʻawa(アヴァアヴァ)冷たく暗い雨 



ちなみに、同じような意味で、 

ʻOhu(オフ)霧、霧雨、山の上を覆う雲 

Noe(ノエ)、Noenoe(ノエノエ)霧、霧雨 

Uhiwai(ウヒヴァイ)霧、霧雨 

の3つがあるのですが、ʻOhuNoeUhiwaiの順で軽い霧雨なのだそうです。 



さて、今回参考にした本『HĀNAU KA UA』を購入したのは、2018年の1月。その後6月にハワイに行った際に、たまたま受けたワークショップの講師が、なんと著者のCollette Leimomi Akanaだったのです。 

まさかご本人にお会いできるとは思っていなかったので、びっくりでした。 

お名前のLeimomiとは真珠(Momi)の首飾り(Lei)のこと。名前の通りとても素敵な方でした。 


ハワイにいると不思議な偶然が本当に多いです。 

神話に出てくる神様たちが、そこかしこに潜んでいるのかもしれません。 



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