Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi ♯6 / 日高しゅう

Manu(マヌ)鳥/Hulu(フル)羽


今回のテーマは鳥Manu(マヌ)とその羽Hulu(フル)。どちらもハワイの文化の中で重要な役割を果たしました。 


まずはハワイアンソングによく登場する鳥たち。 


ʻŌʻō(オーッオー) 

黒い鳥で、お尻のあたりの羽が鮮やかな黄色です。鳴き声が「オーオー」と聞こえたことからその名がついたそうです。 

たくさんのハワイアンソングに登場しますが、『Manu ʻŌʻō』は特に有名。 

歌詞の中にMūkīkī(ムーキーキー/蜜を吸う)という表現が出て来ますが、ʻŌʻōは実はミツスイではありません。虫を食べる種類の鳥が北米からハワイにやって来て、進化したのだそうです。
KauaʻiMolokaʻiOʻahuHawaiʻiの4島に計5種のʻŌʻōがいましたが、いずれも絶滅してしまいました。 


Mamo(マモ) 

ʻŌʻōと同じく、黒くて一部に黄色い羽を持つ鳥で、こちらはミツスイです。 

ハワイ島の花、ʻŌhiʻa “lehuaは赤ですが、黄色のLehuaLehua mamoと言います。 

ʻŌhiʻa lehuaより数が少ないそうで、ハワイに住んでいる間に数えるほどしか見たことができませんでした。Manoa(マノア)にある植物園、Lyon ArboretumにはLehua mamoの木があるので、見たい方はぜひ訪れてみてください。 


ʻIʻiwi(イッイヴィ) 

全身真っ赤な鳥。くちばしも足も赤い鮮やかな鳥です。ʻŌʻōMamoとは対照的に、羽先と尾っぽの一部が黒です。 

フラダンサーなら憧れるHelen Desha Beamerの名曲『Kimo Henderson Hula』の登場するのはこのʻIʻiwiKimo Henderson夫妻への親愛と、彼らの住むPiʻihonua(ピッイホヌア)の美しさを歌った名曲です。蜜を求めたʻIʻiwiが庭を飛び回る様子が登場します。 


ʻElepaio(エレパイオ) 

茶色い羽のちょっと地味な鳥。日本のスズメに似た小さな鳥で、丸いフォルムでかわいらしい顔をしています。 

虫を食べるʻElepaio。彼らがつつく木は、虫の巣があって幹の中が腐っているためカヌー作りに適さないと判断されたそう。ハワイアンにとって重要な役割を果たした鳥でした。 

ʻElepaioは、HulaKumuでありハワイを代表するシンガーでもあるFrank Kawaikapuokalani Huwettの名曲『Ka Pilina(カ・ピリナ)』に登場します。
Kaは定冠詞、Pilinaは「つながり」や「関係」という意味。絶世の美女Lāʻieikawai(ラーイエイカヴァイ)の神話が題材になっています。


Pueo(プエオ)フクロウ。先祖の霊が宿る神聖な鳥

Nēnē(ネーネー)ハワイガン(雁)。ハワイ州の鳥。 

Moa(モア)ニワトリ。Kauaʻiは野生のニワトリの多さから、“チキン・アイランド” と呼ばれることも。 


さて、ハワイには鳥の羽、Hulu(フル)を使った装飾品がたくさんあります。 

枯れてしまう植物と違い、形が残る鳥の羽の装飾品は、作るのに手間がかかるということもあり、かつては王族だけが身につけられるものでした。 

王族の色は、赤と黄色。 

前述したʻŌʻōMamoʻIʻiwiの羽が多く使われたそうです。 

伝統的なハワイアンの手法では、捕まえた鳥から数枚の羽だけを取ったら逃します。ʻŌʻōMamoが絶滅したのは、19世紀以降の開発によって自然が破壊されたり外来種が増えたからだと、地元のガイドさんは言っていました。 


ʻAhu ʻula(アフ・ッウラ)ケープ。作るのに数万羽の鳥の羽が必要だったそう。 

Mahiole(マヒオレ)戦闘用のヘルメット。 

Kāʻei(カーッエイ)肩から掛けて腰に巻くサッシュ。 

Lei(レイ)首飾り。鳥の羽で作ったものはLei hulu(レイ・フル)。 

Haku lei(ハク・レイ)頭につける輪状の飾り。 

Kāhili(カーヒリ)ポールの先端に羽をつけたもの。王族の象徴。 


さて、これはビショップミュージアムのガイドさんに聞いたお話。 

このKāhili、なんと日本の大名行列で使われる「毛槍」がルーツだという説があるそうです。 

18世紀にキャプテン・クックが来航して以来、西洋文化と接することになったハワイには、それまでになかった病気も持ち込まれ、抗体を持たないハワイアンの人口が急速に減ってしまいました。 

そのため、サトウキビのプランテーションなどの労働力を確保する目的で、ハワイ政府が日本政府に移民を要請し、多くの日本人がハワイにやって来たのでした。 

…のですが、実は移民が来るずっと前から、わずかだけれど日本人がいたという記録があるのだそうです。 

彼らは漂流した漁師で、遠い異国で毛槍に似たKāhiliを作ったと考えられているのだそう。 


さて、ビショップミュージアム、ハワイに行った際には立ち寄ることをお勧めします。 

小さいながらも充実した展示で、案外最新の技術も使われていたりして、予備知識なしで行っても楽しめること請け合いです。 

毎日決まった時間に日本語ガイドツアーがあるのですが、ガイドさんが皆個性的で楽しいのです。
それぞれに得意分野があるそうで、どんな方に当たるかは行ってみてのお楽しみ。 

“超”マニアックな知識をシェアしてくれますよ。




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