南インド・サットワ便り ♯5 / Sachi

地域に根ざした治療院づくり・後編


前回に引き続いて、OHAM(オーム)治療院についてのお話です。

ここは、小さな規模の治療院ですが、老若男女、国籍、人種問わず治療を施す、オープンな場所です。


一日の始まりは、早朝5:30の瞑想から。

「プラナヤマ」や、「カパラバティ」という呼吸法を練習します。

普段使っていない肺や呼吸器系全体を意識的に使っていくことで、体内に新鮮な酸素を豊富に取り込んで、汚れた二酸化炭素を意識的に吐き出すことにより、血液が浄化されるといわれています。

プラナヤマは、鼻呼吸を左右交互に行う呼吸法。

自律神経のバランスを整える効果があります。左の鼻でおこなう呼吸が副交感神経に関連する右脳を活性化し、右の鼻でおこなう呼吸が交感神経に関連する左脳を活性化させてくれると言われています。

カパラバティは、下腹部を力強く収縮させて勢いよく息を吐きだす呼吸法。

肺の奥の方から気管支、鼻腔が浄化されます。内臓へのマッサージ効果もあり、全身の細胞が活性化されます。


他にも、消化を助ける、集中力が向上する、生命力が増す、心身の安定、瞑想への準備段階など…、多くの効果があり、呼吸をするだけでもBody・Mind・Spiritが相互に影響しあっていることが感じられます。

また、練習を積んで呼吸をコントロールできるようになると、身体の不調を事前にキャッチし、自力で改善へ促したり、プラーナという生命エネルギーもコントロールできるようになるといわれています。さらに、プラーナをコントロールできると、マインド(感覚や感情)をもコントロールできるようになるそうです。

なにより、呼吸と瞑想から一日を始めることは、全身の細胞や組織、内臓の体温を上げ、ウォームアップすることにつながっていくのです。



約1時間の瞑想の後、6:30~8:00まではヨガアーサナの練習です。

ゆったりとした動きのハタヨガで、体も心も深くリラックスした状態に入っていきます。

ヨガセンターまで足を運ぶことが難しい患者さんには、自宅で行える呼吸法やヨガアーサナが指導されます。



朝食の後、9:00頃からが、一般患者さんの診察・治療の時間となりますが、日々、関節炎や胃腸のトラブル、神経障害など、様々な症状を持つ方が訪れます。

症状は、内服薬の処方のみで改善していく場合もあれば、オイルやハーブボールを使ったマッサージ、頭に薬液を垂らすトリートメントなどを組み合わせて行うこともします。ひとりひとりに合わせた治療法が選択されるのです。

そして、施術を始める前には、必ず、短いマントラを唱えてお祈りをします。


ある時、セラピストさんに、

「毎日患者さんへマッサージをしていると疲れるでしょう」と聞いてみたところ、

「いいえ、そんなことないのよ。私はマッサージをしているけれど、私の体を通して、神様の力が患者さんに届いているから」と返ってきました。

セラピストさんは、施術の前に “私に癒しのパワーを与えてください” と祈りを捧げているそうなのです。

そのおかげか、この治療院も、たくさんの神様に見守られているのを感じます。



「シヴァ」は、世界の破壊と再生を司る神様で、病気平癒、子宝、厄除けなどの御利益を望めます。



「アガスティア」は、 聖人。アーユルヴェーダ、シッダ医学の父的存在といわれています。



「ブッダ」は、偉大なヒーラーでもあり、 病気平癒を実現してくれます。



「ハヌマーン」は、風の神ヴァーユから生まれた猿の姿をした神様です。 不死、力、忠誠心を司っています。


実際に、インドでは、治療と祈りと神の存在は切り離せません。

わたしが暮らす周囲には、たくさんの神様がいらっしゃるのです。





★アーユルヴェーダはWHO世界保健機構でも研究が進められている医療です。

★このページでは、アーユルヴェーダの専門的な療法についてや、ハーブなどの知識をシェアしていきますが、その効果に関しては個人差があります。それは私たちの心と体が1つとして同じものがないということです。

★実践に関しては、専門家の直接指導を必要とするものもあります。現在、専門医のもとで治療・療養中、あるいは体調に考慮が必要な方はご留意ください。

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