Baby's coming! ♯10 / Saori

妊娠を考える=自分の身体と向き合う ~ブライダルチェックの重要性~


皆さん、こんにちは。 

6月といえばJUNE BRIDE、沢山のカップルが結ばれる月。妊娠を考えてみようかなと思われている方も多いのではないでしょうか。妊活の回(#2#3#4)でもお伝えしたように、必ずしも誰もが簡単に授かるとは限らないのが現実です。まずは自分の身体が妊娠する準備ができているのか確認してみましょう。赤ちゃんが健康で元気に産まれてくるためには、母体環境を整えることがとても大切です。 

病棟などでお話をさせていただくと、ママ達から「うちの子はアレルギーを持っているんでしょうか?」と聞かれることがよくあります。特にママ自身がアレルギーをお持ちであったり、お兄ちゃんお姉ちゃんがアレルギーを発症していたりすると、お腹の赤ちゃんにも影響が出てしまうのではないかと心配になりますよね。
妊娠とアレルギーの関係性について知る前に、今回は自分の体と向き合うために重要な、ブライダルチェックについてお話しします。 



妊娠前の検査でわかること 

最近よく聞くようになった「ブライダルチェック」。これは自分の身体を知ることの他に、妊娠に影響がある疾患等がないかを確認するための検査です。 

妊娠に影響がある疾患には、クラミジアを始めとする性感染症、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮内膜症、卵巣嚢腫、貧血、糖尿病、甲状腺機能疾患などがあります。これらが不妊や流産の原因となったり、胎児の発育に影響を与えたり、分娩時に影響を及ぼすことがあります。女性には貧血をお持ちの方も多いですよね。母体が貧血の状態で妊娠を迎えると、胎児の発育のために更なる血液量が必要となるために母体の貧血が進行し、母子共に影響が出る可能性があります。 

麻疹(はしか)や風疹、B型肝炎といった感染症のチェックも大切です。こちらは採血による血液検査で知ることができます。風疹ウイルスに胎児が感染すると、心疾患や高度の難聴、白内障を発症する先天性風疹症候群は、一時期ニュースなどでも話題になったので、聞いたことがある方もいらっしゃると思います。ちなみに風疹は成人男性が感染すると、精巣に影響を与え、無精子症を発症することも知られています。このようなウイルスは胎児に大きく影響するものが多いです。

日本では生後数年かけて予防接種を行うため、自分は大丈夫だと安心してい
る方も多いと思います。ですが、抗体値は年々低下していきます。近年では沖縄県で麻疹の感染が流行したケースもあるので、妊娠前には必ず感染症の抗体検査をすることをお願いしています。 

生理不順がある方は、ホルモン検査を実施することで、排卵に必要なホルモンが出ているかなどを知ることができます。基礎体温を測定し生理の記録をしていくことも、お金をかけずに出来る検査のひとつですね。 



検査は血液検査のようにすぐに終了するものばかりではありません。「エコー」と呼ばれる超音波検査は痛みはありませんが、検査時間はその方の状態により一概には言えません。 

また、内診といって膣内に器具を挿入し、組織を調べたりする検査もあり、違和感や多少の痛みなどを伴うことがあります。 

男性に関しては、ご自身で精液を取る検査があります。
男性も女性も精神的な不安や、羞恥心を感じられる方が多いのが正直なところです。 

どの検査を受けるかにもよりますが、お仕事の合間にささっと済ませられるような検査ではないですし、精神的な負担が伴うものなので、一日お休みを取ってゆっくり受診をすることを私は勧めたいと思います。 

また、検査は基本的に保険適応外で、自己負担額が大きいものもあります。ですが、お住いの自治体によっては、一部検査に助成金が出る場合があります。年齢や回数、助成金額も自治体によりさまざま。一度県や市町村のホームページで確認してみるといいですね。 


妊娠前に自分の体の状態を把握することで、何かが起きた時に、最善な方法を医療者と一緒に考えるこができます。 

それでも五体満足でなかったり、お腹の中で命を終えてしまう赤ちゃんはいて、妊娠中に後悔してしまうご家族は実際にいらっしゃいます。 

「私は健康だし大丈夫!」と人ごとと思わず、新たな命のために考える時間にしてほしいと私は思います。 



妊娠は女性だけの問題ではなく男女が一緒に考えるもの


そしてこの連載でも繰り返しお伝えしていますが、これらは決して女性だけに求められることではありません。不妊の原因は男女比でみると半々。男性にも要因があるということ、赤ちゃんの誕生にはご夫婦お二人の健康が不可欠であるということを改めて認識しましょう。 

デリケートな事柄で、誰にも相談できないと思われている方も多いでしょう。そのために私たちがいます。 

医師たちは口を揃えて言います。「いい妊娠、いい出産がしたいと思うなら、いい生活をして健康で過ごすことが不可欠」と。 

私も学ぶたびに気付かされます。人の人生は生まれてから死を迎えるまで全て繋がっていることに。 例えば、ある日突然病気になるわけではないですよね。小さな症状として体が危険信号を出し続けてていたものを、まだ大丈夫と気づかないふりをし続け、ピークを迎えて病院に行くことで、初めて疾患として診断がつくのです。 

妊娠は自分一人の問題ではありません。新しい命のため、ご家族のために、まずはご自身から、自分と向き合う時間を作ることを大切にしていただけたらと思います。 


次回は最新研究結果と私自身の医療の現場での経験を通して、妊娠とアレルギーの関係性についてお話しいたします。



★過去の連載はこちらから。


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